一生のほとんどを、地中で過ごすモグラは、活動しているその姿を見ることはほとんどありません。冬の間は、冬眠しているのでしょうか?
そもそも、モグラとはどのような生態なのでしょうか。
普段見られない、モグラの生態や、その種類についても徹底解説していきます。
モグラって冬眠するの?
モグラは冬眠せず、一年中活動しています。
その理由は、モグラの生活と関係していますが、第一にモグラは餌切れに弱い動物です。
一日のうち三回に分けて、自分の体重の半分もの量の餌を食べます。
その上、12時間も餌を食べられないと、飢えて死んでしまうそうです。
第二に、モグラの暮らす環境があげられます。
地中にトンネルを掘って生活していますが、地面の下は年間を通して、大きな温度変化はありません。
体にぴったり合った空間であるトンネルも、温度を一定に保つポイントだと考えられます。
環境や温度変化に弱いモグラも、安心して暮らせるというわけですね。
ですので、モグラは冬眠せず、年間通して同じサイクルで生活しています。
モグラの種類について
ここまで「モグラ」とひとくくりにして話してきましたが、そもそもモグラにはどのような種類がいるのでしょうか。
モグラは食虫目(トガリネズミ目)モグラ亜科に分類され、日本では北海道以外の本州、四国、九州、離島に生息し、以下の6種類に分かれています。
■アズマモグラ
日本固有種。主に東日本に生息。里山〜山地に広く分布。体重は40〜76グラム。
■コウベモグラ
アジアに広く分布する。日本では西日本に生息。大型で、なわばりを拡大してアズマ モグラを東に追いやっている。体重は65〜120グラム。
■サドモグラ(準絶滅危惧)
新潟県の佐渡島に生息。日本固有種で大型70〜90グラム。
■ミズラモグラ(準絶滅危惧)
本州だけに住む日本固有種で、標高の高い山地に生息している。小型で体重は20〜 27グラム。
■センカクモグラ(絶滅危惧AI類)
尖閣諸島の魚釣島でのみ、生息が確認されている。42.7グラム。
■エチゴモグラ(絶滅危惧IB類)
越後平野に生息。日本固有種のモグラ。体格としては、日本最大のモグラで、120〜 160グラム。
この6種類の中で、一番数が多いのはコウベモグラだと言われています。
主に西日本に生息していますが、個体数も力も強く、アズマモグラを追いやって段々と東へ勢力を拡大しているようです。
モグラの寿命は何年?生態についても
モグラの寿命は約5年です。
森林や草原の、比較的土壌が柔らかで、餌が確保できる土壌にトンネルを掘って生活しています。モグラはなわばり意識が強く、70〜300メートルの長さのトンネルの中で、単独で暮らします。
餌は、主にミミズと、昆虫や幼虫で、およそモグラの体重の半分の量を、一日三回に分けて食べます。
このように大食漢ですから、餌を探し回るだけでなく、トンネルの中に餌となるミミズを確保しておくスペースも、生活道の他に支道として設けているようです。
一日の活動は、4時間活動と食事をして4時間眠るといった、約8時間の決まったサイクルがあり、冬眠せず、一年中通して活動しています。
おわりに
今回はモグラの種類と生態について見てきましたが、ひとくくりにモグラ、といっても様々な種類がいるようですね。
生態系の変化などにより、絶滅危惧に登録されている種類もいます。
一般に見られるモグラとしては、「コウベモグラ」「アズマモグラ」の二種類ではないでしょうか。
いずれのモグラの生態にも共通して言えるのは、冬眠せず一年中同じサイクルで活動をするということです。
モグラは5年ほど生きますが、群れることはなく単独で生活をします。
活動と睡眠を4時間ごとに繰り返し、餌を確保できる場所に出没して生活しているようです。
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