パッと見の姿は「鳥と動物の間」と表現したくなるコウモリ。
民家の近くで見かけることもありますが、まれに赤ちゃんコウモリが落ちているのに遭遇するケースもあるようです。
この赤ちゃんコウモリ、卵から生まれてきたのでしょうか? それとも哺乳類だからそのままの姿でしょうか。
今回はコウモリの赤ちゃんについて、卵生なのか胎生なのか。そもそも哺乳類なのかどうか詳しく解説していきます。
コウモリの赤ちゃんはたまご?哺乳類?
見た目は翼もあり、鳥のようですが、コウモリは哺乳綱翼手目に属する、れっきとした哺乳類です。
でも翼もあるし、鳥類の可能性もあるんじゃないのかと思う人もいるかもしれません。
鳥類の特徴としては、以下の3点があげられます。
・歯のないくちばしがあること
・羽毛が生えていること
・硬いカラを持つ卵を産むこと
コウモリを見ていくと、まずくちばしは持っていません。ネズミにも似た姿と、被膜という薄い膜の翼を持ち、羽毛も生えてはいないようです。
そして最後に、他の動物と同じように、お母さんのお腹のなかで育ちます。
出産の時までお腹の中にいて、生まれるときは人間と同じように、へその緒でつながって生まれてきます。
そして、生まれた赤ちゃんは、お母さんに抱きかかえられるような姿勢で、およそ二週間は母乳を飲んで育ちます。
ですので、コウモリは胎生で、空を飛ぶ能力をもった哺乳類なのです。
コウモリの出産時期はいつ?何匹産むの?
コウモリの出産時期は年に一回。7〜8月に、1〜3匹を産みます。
群れで生息しているイメージからか、もっと産みそうな、なんだか少ない感じがしますね。
これは、コウモリの出産と生態にかかわっています。
コウモリは4月に冬眠から目覚め、出産は7月ごろです。
出産の際、お母さんコウモリは頭を上に「さかさま」にして産み、赤ちゃんを抱きかかえるようにして授乳します。
産まれたばかりの赤ちゃんは飛ぶことができないため、巣にいる時は、基本的にお母さんにしがみついています。
ですが、お母さんは餌を取らなくてはいけないため、赤ちゃんを巣に残して出かけます。
また、場合によっては身体にあかちゃんがしがみついたまま、餌を探しに飛ぶこともあるようです。
赤ちゃんが飛べるようになって独り立ちするまでは1〜1か月半かかります。
このような育て方だから、多頭出産ではないのですね。
関連記事:コウモリに好かれる家住み着く家とは?昼間はどこにいるの?
コウモリの赤ちゃんを見つけたらどうする?
さて、巣に残されてお母さんの帰りを待っているあかちゃんコウモリですが。
生まれてから1か月ほど、飛ぶことができません。お母さんがいない間、何かの拍子に落ちてしまうこともあるようです。
巣から地面に落ちた衝撃でケガをしてしまったり、お母さんコウモリが見つけられずに、落ちた赤ちゃんが衰弱したりしている場面に出会ったら可哀そうですね。
このようなケガや衰弱している場合の、一時的に保護をしても大丈夫なのでしょうか。
コウモリは、「鳥獣保護管理法」によって無断での捕獲、飼育は法律違反となってしまいます。
もし無断で飼うと、法律違反により、懲役一年以下または10万円以下の罰金が科せられてしまいます。
ですが例外もあり、のちに野生に戻す前提で、ケガをしたコウモリを保護するのは可能です。
その場合は保護する旨を自治体に連絡しましょう。
関連記事:カラスがコウモリを食べる!?天敵とコウモリの餌の果物について
おわりに
今回は、コウモリの赤ちゃんについて見てきましたが、鳥類との間ではなく。
まぎれもない哺乳類ということが分かりましたね。
しかも、たまごではなく、お母さんのお腹とへその緒でつながって生まれてきて、母乳を飲むあたり、とても動物っぽさを感じます。
このように可愛げのあるコウモリの赤ちゃんですが、実際に出会ったとしても基本は野生の生物です。
保護をしたくなったとしても、まずは自治体へ相談するほうが良さそうですね。
参考:コウモリが哺乳類である理由、鳥類との違いや特徴を教えます! | sumical
コウモリの繁殖と子育て | コウモリの不思議を追う!コウモリマニア (uvati-vitar.com)
コメント